犬は遠くのものがよく見えます。だから、犬が近づく前に、犬の存在にいち早く気づきますし、バックをもっている人が歩いてくれば、遠くから犬ではないのか?と鋭く観察したりします。野生の本能は、ペットになった今でも持ち合わせていることが良く分かるシグナルです。それだけに、どのように見えているのか認識してみると犬目線で新しい発見があります。
犬はどのように見えているのでしょうか?
■ 犬のしつけ | 飼い主との会話ができる
犬の感覚の世界を知る | 犬の視覚はどのように見えているのでしょうか? 人が、テレビや、映画で白黒の映像を見たときのような見え方をします。 犬はすべてのものを灰色の濃淡で見ているそうです。 犬の周辺視力は、私たち人間の約10倍も敏感であるといえ、かつ遠距離にあるものも比較的よく見えるのだが ごく、接近したものを見る能力は劣っているようである。 犬を含む肉食動物の大半は、人間よりも平たい目をしている。むろん水晶体の形状変化により、焦点を合わせることは できるのだが、私たち人間ほどの範囲でそれを行うことはできないようである。 犬の目は人間の目よりも光や動きに敏感であるが、分解能に関してはそれほどでもない。 |
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犬の目はどこについている? | ◆ケイズハウンド(視覚を行動の指針とする犬) ボルゾイ、アフガン・ハウンド、サルーキなどが、「正面」に両目が並んでいる犬種です。 ◆護衛犬などといわれている犬種は目がより側方についている ジャーマン・シェパード、秋田犬 ◆両者の中間で正面でもなく、側方でもな場所に目がついている キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、ボクサー ◆目がやや斜めについている犬種 多くのテリア犬 物理的には正面位置にあるにも関わらず、この傾斜により視界が若干広がっている。 |
視覚は犬種によって相当の差がある | それによって犬の脳に送り込まれる情報量も異なってきます。 人間の視角を起点とし、ペキニーズの視角は、5-10度、テリア系は、20-30度です。 側方の視覚が広ければひろほど真正面が見にくくなっていくわけであり、ゆえに多くの犬が鼻につきつけられた 物でも見つけられないことがあるのであります。 目前のものに焦点を合わせる能力、すなわち、輻輳(ふくそう)は両眼が正面を向いているプードルのほうが より側方によっているセターやレトリバーよりも優れている。 牧羊犬の遠方に対する視力は極めて鋭く、一キロメートルほど先まで羊飼いの手信号を読み取ることができるのである。 また、夜間視力も私たちよりよいようです。犬は主として昼行動物で夜行性ではないのだが、それはつまり日の出直前、 日没直後の薄明かりで最も彼らの視覚が発揮できるということです。 ドッグズ・マインドからの引用です。 |
犬の臭覚の世界を知ろう
犬の臭覚のデータで犬を理解することも犬のしつけ
1)平均的な犬の鼻の中には臭受容器(臭細胞)が約2億2千万個存在する。
人間の場合は、約500万個である
2)犬の鼻腔内の粘膜を取り出し平面に置いたとすれば、その面積は犬の体の表面積をはるかに上回る
3)犬の鼻腔内の粘膜は平均して約7平方メートルである。私たちのそれは、0.5平方メートル程度であり、かつ私たちの方が体が大きい場合がある
4)平均的な犬の臭覚はあまりにも敏感なため、科学機器類でも検出できないほどの希釈されたにおいでも感知し、識別することができる。
5)臭覚は紛れも無く、犬にとっては最も「実用的」な感覚なのであろうが、私たちにとっては最も理解しがたい能力でもある。
犬の臭覚の世界とはどんなものかを理解する
においの記憶は犬の生涯をとおして残るもので、あらゆる行動に影響を与える
◆犬は外鼻腔を動かすことができ、においの方向を探ることができる
◆くんくんとかぐ動作(スニッイング) 通常の呼吸を中断させるこの動作は、
実験室で調べたところ1から3で行われ、一連には3-7回の「くんくん」という動作が含まれている 犬の鼻の最も敏感な部分、鼻中隔がおそらくこの「くんくん」行動を起こしているのだろう
◆H・Mバジェットの本(Hunting Scent」(においで狩る)は、いまだに犬の臭覚による追跡能力の視察に関する画期的な文献である。
追跡される人間が
・ゴム長靴をはいても
・自転車に飛び乗っても、
犬はそのにおいをおっていくことができることをバジェットは明らかにしたのである。
1946年には、雌犬より雄犬のほうが、においを追跡することを得意としているようである。
これはたぶん、雄犬のほうが縄張り行動や性行動の一環としてにおいを嗅ぐための機能をより繁殖に活用しているからであろう
さらに犬のこの追跡機能は、訓練もしくは少量のカフェインを投与することによりさらに強化できるという重要なこともわかったのである。